検閲

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 こうして山本加奈子と僕と、ついでに水瀬那美の同居生活が始まった。 マンションの一室に入るなり水瀬はとんでもない要求をしてきた。 「智史さんは、これからはじまる二人の生活でどのように潔白を証明されるおつもりですか?潔白というのは、山本加奈子さんと清い関係を保ち浮気をしていないという事実です。失礼ながら私がそのお役に立てるかと存じます。」 水瀬は僕の方を上目遣いで見つめてくる。 そして、ゆっくりと僕の方に近づくと、山本加奈子が制止する間も与えず、僕の肩に手を触れ、首筋を優しく指でなぞる。 思わず体をすくめる僕。 そんな反応を楽しむかのように彼女はクスりと笑い。 僕に優しくキスをした。 「なにをなさるのです!智史さんに!。」 山本加奈子が怒ると。 彼女は素早く僕の股間をチョックする。 「合格ね。」 彼女の手には弾力のある僕自身の反応があったはずだ。 「彼が浮気をしていないのはわかったわ。」 彼女はキビキビとした口調で断言し。 「智史様、お隣の部屋で自己処理をなさってください。そのあともう一度チェックさせて頂きます。正常な男性は3日に一度は処理が必要だと聞いておりますが、智史さんはお若いですから毎日検閲させて頂きます。」 そして山本加奈子の方を見て微笑み。 「もちろん、山本さん自身がこの検閲作業をしていただいても構いません。しかし、その場には立ち会わせて頂きますね。」 山本加奈子は怒っているようであった。 「清い関係とは関係を持たなければなんでもありなのでしょうか?」 水瀬はその通りだと頷く。 「智史さん、自分で処理しなくても大丈夫。」 山本加奈子は水瀬の前で智史をキューっと抱きしめる。 そして、智史の服を一枚一枚丁寧に脱がしていく。 そして、手を止めると水瀬に取引を持ちかけた。 「水瀬さん、取引をしませんか?私2日に1日はこの部屋を開けます。その代わり、あなたも私が居る時は遠慮なさっていただけますか?」 水瀬は屈託のない笑顔で 「いい取引ね。のった。お互い寸止めは勘弁願いたいものね。」 それは智史が経験する初めての修羅場であっただろう。二人の強烈な個性を持つ女性に翻弄されなすすべもない自分が情けない。 悟の意図通りの展開だ。 「智史よ。成長せい。大勢の人間を束ねるのだから。」 悟はウェブカメラでその様子を見守るのであった。
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