2回目のデート

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2回目のデート

 八海佳奈から2回目のデートのお誘いが来た。12月24日。公園の中にある水族館で待ち合わせ。でもその日僕はバイトで行くことができない。どうすればいいのか? 山本姉さんとシフトを代わってもらうなんてできるわけがない。あの気まずいBe mineからさほど経ってない今、これ以上失点を繰り返し、彼女から嫌われるのは耐え難かった。 仕方ないので八海佳奈に電話をしてお断りすることにした。 「リーン、リーン、はい、立山さん?」 彼女の声はハスキーで透き通っていて相変わらず可愛らしい。 「ええと、なんとおよびしたらいいでしょうか?その。」 八海佳奈の実名を知らないし、何回も名前を変えて会っていることがわかった今、どう呼べば 僕はいいと言うのだろう。 「ふふ。佳奈でいいよっ?」 「佳奈さん……。その昼の水族館なんですけど難しくていけそうもないです。アルバイトが……。他の日にしてもらえないですか?」 クリスマスイブ断るのは辛いなぁ。本当に断りづらい。 「じゃ、深夜公園に来てよ?そのぐらいの埋め合わせいいでしょ?」 「12時近くになるし、帰れなくなっちゃうよ。」 困るなぁ。どうしたらいいものか? 「近くのホテルも取ってあるの……。だから、ね。」 そう言われると男の子としては期待しちゃうのですが。 「うーん、なら、深夜でいいなら。いけるかな?」 とウブな僕は期待を胸に秘め結局押し切られてしまった。 なんだかんだとそのデートまで1週間の間きっと僕は楽しい気分で毎日を過ごしてしまうのだろうな。僕は山本姉さんにどういいわけをしたらいいのだろうか?まさか日本語で「俺のものになってくれ」と衝撃の告白をできるような根性は持ち合わせて居ないし。 積極的な女の子にはかなわないや。と僕は思うのであった。 僕は真剣に彼女のことを好きなわけではないと思っている。八海佳奈のファンではあるものの、それはあくまでセクシー女優として好きなだけで、実際に結婚するとなると別問題だ。自分が知っている佳奈の性格が女優として作られたもので、現実にそんな愛らしい女の子がいるわけもない。男の子のアイドルが作られた偶像であることぐらい、いくら僕でもわかる。 そうわかっていても、僕は八海佳奈との2回目のお見合いを心から楽しみにしていた。
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