現実

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現実

 こんな生活を続けていれば、時々人恋しくなったりする。だから、稀に外出に挑んだりする。  もちろん、顔面完全装備でだ。  しかし、現実は厳しく、挨拶も出来なければ自ら人を避けてしまった。  加えて、人は思う以上に冷たい。挨拶を無視し続ければ無くなっていくし、変な恰好を続ければ噂の的にだってなる。  聞こえてきた小言に何度傷付いたことだろう。  事情があると悟ろうとせず、上っ面だけで判断しては決め付ける。とても冷たい生き物だ。  もしかすると、心ないロボットなのかもしれないな。  そう思うことで、自分を落ち着かせた。
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