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――帰宅時には、いつも精神が磨り減っている。
そんな状態で何かが出来るはずもなく、リビングに入るなりソファに倒れこんだ。
そうして、そのまま眠ってしまった。
気付けば、窓外は闇に覆われていた。
凝った体を伸ばし、骨を鳴らしながら携帯を掴む。何の気なく癖のようにSNSを開いた。
変わらぬ光景がある。書き込みだらけのページは、幾らスクロールしても終わらない。
常にページを監視している身としては、新鮮な光景だ。
しかし、同時に空虚感も湧き上がった。
いつもと変わらないページ。変わらない発言。内容問わず犇めき合う言葉たち。
そんな多種多様な文字列の中に、僕の名前は一つもない。居るはずの存在が無くても何も変わらない。
同じ時間、同じページの上にいる人達でさえ、知らない振りをしあうのだから当然だろう。
けれど、寂しかった。これがこの世界のデメリットだ。
やはり、人と人とを結びつけるものは言葉ではない。いや、温度の無い言葉だけでは足りないのだ。
携帯の電源を落とし、触れ合いを忘れた手の平を掲げてみる。
繋いでくれる誰かは、ここにはいない。思い描けさえしない。
一人ぼっちの世界に投げ出された。そんな気がした。
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