13人が本棚に入れています
本棚に追加
女の子にはそういうところがたまらないらしいけど…。
「アタシにはよく分からないな…」
分からないことを、ちょっと寂しく思う。
まっ、それとこれとは別。
血の気が戻ってきたし、アタシは立ち上がった。
けれどどうしても彼に触れられた手が気持ち悪くて…悪いと思いつつ、トイレで洗った。
ハンドソープまで使って。
あんなにカッコ良いのに…それでもアタシの体は拒絶反応を起こす。
小学生の時は、割と男の子にも触れていた。
でも幼馴染に告白されて、嫌悪を覚えてからは、極力触れないようにしてきた。
触れれば気持ち悪くなるし。
「…やめよ」
これ以上考えると、男嫌いにまで発展する。
気持ちを切り替え、アタシはチャイムの音を聞きながら図書室へ向かった。
図書室は五階にあって、アタシが着いた時にはすでに彼はいた。
「待たせたかな?」
「そんなに」
彼はニコニコと笑顔だ。
でもどことなぁく寒く感じるのは、気のせい?
アタシは深呼吸をして、彼から一定の距離を取って、話し出した。
「あの、ね。昨日言った通り、アタシはまだ誰かと特別な関係になるつもりはないの。だから諦めてくれないかな?」
ここで笑い飛ばしてくれれば、いつもの日常に戻れるはずだった。
自意識過剰だと、言ってほしかったのに…。
「うん、ムリ」
…あっさり却下しやがった。
「なっ何でアタシのこと、好きなの? あなたがアタシの何を知っているの?」
思わず気が立って、こんな言葉が出てしまった。
最初のコメントを投稿しよう!