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ぐさっ★
こっ言葉の矢が、胸に突き刺さった!
「それで観察しているうちに、何人かの男子生徒に告白されてる現場を見たんだ。そしたらあの反応。告白されていることに慣れているカンジだったけど、それを喜んでいるようには全く見えなかったんだよね」
彼は鋭い眼をして、当時のことを思い出しているようだった。
うっ…。さすがは学年一位の頭脳を持つ男だ。
「その後、必ず倉庫裏に避難もしてたし」
げっ! そこまでバレてたのか!
「だから恋愛恐怖症なんじゃないかなって思ったんだ」
「分かってて告白してきたの? 意地が悪いわね」
「自覚はあるよ。でも言わずにはいられなかった。いつ他のヤツに取られるか、気が気じゃなかったし」
…そう淡々と言われてもなぁ。
「でっでもその感情が、本当に恋愛感情かは分からないじゃない」
彼の説明では、まるで観察動物を他に取られるのがイヤだと聞こえる。
独占したい気持ちが恋愛感情じゃないとは言えないけれど、…何か違う気がする。
「うん。分からないね」
…肯定しやがったよ、コイツ。
何だろう?
からかわれている? バカにされている?
急に気持ちまで冷めてきた。
「でもだからこそ、近くに置いておきたいんだ。恋愛感情かどうか、確かめる為に」
いや、実験動物扱いだ!
「お断り」
だからすぐに断る。
「何で?」
「何でって…」
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