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副作用が現れる確率は0.001%……これはあくまでもこの数十年間のデータを元に算出したものだ。 だが、今年度は訳が違った。副作用が出た者は全体の半数を超え、うちのクラスでも何人か病院送りになった。原因は不明だが、全国的にたくさんの犠牲者を出している。そして、悲しいことにその中には俺自身も含まれてしまった。 「なんでよ……」 ベッドの横でまた渚が呟いた。 「なんであなたなの……」 見ると、彼女が顔を埋めたところだけシーツが濡れている。干からびてしまうのではないかというくらい、渚は泣いていた。でも、俺はびっくりするほど冷静だった。 「多いだろうな、そう思う人」 口から出てきたのは血の通ってない客観的な意見だけで、まるで自分のことではないみたいに俺はポツリと呟いたのだ。すると、渚がいきなりベッドの端を拳で叩いた。 「なんでそんな冷静なの!?」 渚は涙で枯れた声をさらに張り上げた。 「こんなのおかしいよ! "副作用"っていうけど、いま普通に生活できてるんでしょ? 体もどこもおかしくないじゃない?」 そして、やっぱり泣き出してしまった。 たしかにそうだ。別に体の一部が機能しなくなったわけでもないし、思考だってしっかりしてる。 だが……
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