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* ふと気付くと俺は屋上にいて、フェンス越しに外の世界を眺めていた。 何故ここにいるのだろう……? 俺は自分がここまで来た経緯を遡って考えた。渚が去った後、俺はじっと真っ白な天井を見上げていた。それがあまりに真っ白過ぎたからか、俺は考えが止まらなくなった。 これから自分がどんな末路を辿るのか、そして最終的にどうなってしまうのか……何を考えようにもそれらが付きまとってきた。すると、胸の奥底から一気に不安の波が押し寄せた。いくら考えても真っ黒で塗り替えられない未来に対する不安だ。その不安は俺にはあまりに大き過ぎた。 それで、気付いたら自分の体に付いている管という管を引きちぎっていたし、気付いたら廊下を走っていて、気付いたら階段を駆け上っていたんだ。 逃げたかったんだ、おそらく。 決して逃げ切れやしないのに。 俺は狭いフェンスの隙間から再び外の世界を眺めた。街は端から端まで地面を覆い尽くしていたし、空は思ったよりずっとずっと遠くまで広がっていた。その様を見ていると、本当にひとりなんだと思い知らせた。 また、不安の波が襲い掛かって来る。だから、俺はその波の勢いに任せて屋上のフェンスを飛び越えようとした。何としても逃げ出したかったんだ。
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