6人が本棚に入れています
本棚に追加
「"死ぬ"ってのはな……人間に使う言葉だ」
それを言うと彼女は泣き崩れてしまった。
屋上が渚の嗚咽に包まれる。
"どこも悪くないのに"
そりゃ、いまはな?
でもな、しゃあねーんだよ。
決まりは決まりなんだから。
俺はまた高い空を見上げた。病室を逃げ出してからどのくらいの時間が経ったか分からない。だが、残された時間が僅かであることに変わりなかった。
鼻が奥でツンとする。俺は"悲しい"を通り越して憎かった。人間が憎くて堪らなかった。
なんで彼等はここまで"ロボット"を高性能なものにしたのだろう……
それはいくらこの頭で解析しても分からなかった。
最初のコメントを投稿しよう!