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「こんな終わり方なら……作られて来なきゃよかった……」
鼻の奥がツンとする。それと同時に、溜まっていた熱い水の塊が頬を伝った。振り返ると、視界の端に渚の顔が映り込んだ。彼女はまだ目を腫らしていた。
「そんなこと……言わないで」
「じゃあ人間に似せるなよ!!」
俺の怒号がこだまする。周りは"しん"という音がするくらい静かになった。俺は固く目を瞑った。
「自分たちと似せて優越感に浸りたかったんだろ? だから、ロボットはみんな人型なんだろ?」
そう言った後、俺は鼻で笑った。
「さぞかし気持ちいいよな……奴隷を扱ってる気分で」
「やめてよ……」
「だって、そうだろ?"痛み"も"悲しみ"もプログラムする必要なんてないのに……苦しむところが見たかっただけだろ?」
「やめてって!」
「渚に俺の気持ちが分かるかよ」
先ほどより俺の言葉に勢いはなかった。だが、渚を止めるには十分すぎた。
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