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何がホンモノか分からない。何がニセモノなのかも分からない。でも、このぬくもりは間違いなくホンモノだった。
俺はそのホンモノに縋りながら、勝手に解析を始めた。
なんでロボットは出来たんだろう?
なんで人間に似せられたんだろう?
そもそも、なんで俺はロボットなんだろう?
俺の頭が"なんで"を探す。
"なんで"が俺の頭を巡る。
だが、"なんで"は"なんで"のままだ。
俺は滲んだ瞳で空を見上げた。今日の空はやたらと遠い。そんな空を見ていると、俺の口は勝手に動き出した。
「渚……好き……」
なんですでに伝えたはずの言葉がもう一度出て来たのか、理由はちっとも分からなかった。
【完】
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