言葉を交わせない君に、ありがとう

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 メアリーは、僕と出会った時も綺麗な姿をしていた。埃とは無縁の。  授業で使われていたからだろう。  僕に愛される前も、きっと誰かに大事にされてきたんだ。 「君は誰に愛されたんだろう。何も面影を残していないね。――嘘、嫉妬なんてしないよ。大丈夫だよ……僕は身勝手なんだ、僕が今君といて幸せなんだからそれでいいんだ」  永遠に、なんてことは言わない。  下手したらメアリーの方が長生きするかもしれないし。  乾いた唇を白い頬にあてがう。  濡らしちゃいけないからね。  濡れるほどの口づけをしたい。どこかでは思うんだけどね。
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