星無がまみる時

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いや、深海魚が不味いというのは間違いだ。調理法によっては意外なほど美味い。だが貴様達が乗る潜水艦は穏やかで静かな海を攪拌し、乱しているのだ。許さんぞ人間共め。ところで、貴様が持っている腕をよこせ」 このしょうもなさはどうだ。リュウグウノツカイだと?星無は!そんな理由で殺されなきゃならんのか! 「あら、私を食べちゃったのね。この腕が食べたいの?バイオレット」 「え?え?え?あれ?うお?星無いいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!お前何で!」 「まあそんなことだろうと思った。殺してどうなるなら苦労はせん」 「私達の常識じゃ測れニャいのよね。魔女は」 「俺の驚愕と恐怖を返せえええええええええええええええええええええええええ!!!お前!トラウマレベルの死に様晒してたぞ!隣の彼女の竹槍ダンスか!」 「はい。私の腕よ。欲しかったら石をよこしなさい」 「うううううううううううううう」 「凄え悩んでるぞルル(いえ)の住人。お前の腕そんなに美味いのか?」 「魔法薬フテオハート。フテオみたいになる薬。フテオになったら最後、フテオハートが染みた人体しか食べられなくなる」 グルメかおめえは。 深い懊悩の末、夢見がちな邪神気取りの軟体生物は、己の心臓を抉り出した。触手に絡まれたリンクルストーンがあった。
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