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ベッドから離れて辺りを確認した。着衣に乱れは無い。阪下さんは、酔っていないから服に着替えた様。私は上着は脱がされてブラウスとスカート。
「信用無いみたいだね?」
「そんな事はありませんが、確認しただけです。って、言ってもこの状況では疑われても…」
「そういう目でみないの。何も無いから。」
「分かりました。昨日、お酒入って迷惑かけたのは私ですから反省します。」
「じゃあ、反省ついでにこのまま平和に付き合おうか?」
目が点になった。私は、上着を取り玄関に向かって聞こえなかったふりをした。でも、玄関で捕まってしまった。
「そんなに嫌だった?」
「はい。嫌と言うより軽いノリで言われた事が理解出来ません。」
「ノリで言ったつもりは無いけど、しいていうなら香りと橘さんの人柄に惚れたかな?」
「短時間で私の人柄を理解したなんて怪しいです。」
「本当だよ。橘さんが松川君に誘われてるのみて嫉妬したり短時間で好きになるのを運命って言うんじゃないかな?」
「上手く言ってもダメです!私をからかってるようにしか聞こえな…!?」
怒ってる私にいきなりはぐして無理矢理キスをした。信じたくないと頭では思ってもキス1つで騙されてしまう自分がいる。
「ごめん。本気だって証明したくて。」
「だからってあんな事…っく、嫌なのに悔しい。泣きたくないのに…どうして?」
その場で座り込んで涙が溢れた。気持ちのコントロールが上手く出来ない。
「泣かないで。もうこんな事しないから。」
「違います。よく分からないけど涙が止まらなくて頭がぐちゃぐちゃになりそう。」
「僕の事嫌いじゃないって事でいいのかな?」
「はい。私、本当は…」
「もう充分だよ。泣き止んだら一緒に朝御飯食べに行こうか?」
「切り替え早すぎます。」
「お腹減ってないならいいけど?」
「お腹空きました。」
天然な羊さんが、他の二人より先に私と契約してくれてめでたしと言いたいけどまだ分からない。
「ここの朝食美味しいよ。って、まだ怒ってるよね?」
「怒ってません。美味しいご飯にありつけたので。ああ、プライベートは敬語やめた方がいいですか?」
「仕事と分けるならそれでもいいよ。けど、橘さん冷静なんだね?」
私の目の前でにっこり微笑む羊な彼。私が冷静に言ってるのは天然な彼が空気を読まないから。
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