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「商品開発部に行くなら、これを前幡主任に渡してもらってくれる?」
「分かりました。」
「阪下君と一緒にいないと本気になった松川君に食べられてしまうわよ?私はそれでもありだと思うけどね。」
「岡西さん、面白がってませんか?」
「松川君が本気になる所みてみたいだけよ。阪下君がどう橘さんを守るのか楽しみね。後、中村さんが阪下君とゲーム出来ないってぼやいてたからそれも何かありそう。」
複雑な見えない人間関係の糸が絡み合ってもつれている。そんなモヤモヤしたままの状態で一人で商品開発部に向かった。
「橘さん、おはよう。落ち込んでるみたいに見えるけど何か困り事でもあった?」
「松川さん、おはようございます。(狼の張本人と出会ったよ。しかも、企画案の事で協力頼むの言いづらい。)」
「橘さんが、商品開発部に配属になったら俺は嬉しいけど来たばかりだから部署移動にはならないんだよな?」
「あの、企画案の事で商品開発部に協力して欲しくてここに来ました。三濱リーダーには許可もらってます。それと、これを前幡主任に渡すように岡西さんから預かって来ました。」
「分かった。前幡主任に渡しとくよ。中に入ってて。西山さんは、別の商品企画会議で出てるからいないけど俺が話を聞くから。」
嫌な予感。松川さんが西山さんと一緒にいるから安心していたのに会議でいないとなると不安だった。それに、肝心の指導係の阪下さんは別の件で資料室にこもっての仕事があるから一緒じゃない。
『彼の目は獲物を狩る狼の目をしていました。兎を、餌に今から食事にありつくと言った所ですね。』
「お待たせ。それで、企画案の協力って何をすればいいのか聞かせて欲しいな。」
「…座る距離近すぎませんか?(これってデジャ・ビュ?)」
「対面するよりこっちの方がみやすいからいいと思うけど?橘さんは、俺を意識するから恥ずかしいならもっと…」
「私、彼氏いますから!」
椅子から勢いよく立ち上がってむきになって言ってしまった。後、数センチの距離で私の唇に松川さんの唇が触れそうだったから反射的になって体が拒否をした。
「彼氏?いても問題無いって言ったら…」
「私が嫌です。松川さんが、私と仕事の話をしないなら出ていきますよ。」
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