天然羊は空気が読めない?

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この状況の中で私はどう切り抜けるか考えていた。 「橘さん、休憩してリラックスしようか?」 「そうですね。(今の状況でいたくない。)」 「阪下さん、俺も一緒でいいですか?」 「自販機に行くだけだよ。」 だった筈なのに、途中で松川さんと離れて手首を捕まれてたまたま空いてた会議室に連れこまれた。 「松川君に迫られなかった?」 「尋問ですか?」 「僕が行くまで何も無いわけないよね?松川君は狼だから手を出さない筈ないんだ。」 「心配しなくても何もありませんでしたよ。あったら、阪下さんが入ってきたら泣きつくと思います。」 「それは嬉しいけど、何も無くて良かったかな。でも、念の為にはぐしとこうか。」 「マーキングですか?」 「マーキング?人間もあるのならそれかな。それと、橘さんの匂い感じたいから安心するってのもある。」 羊な彼に私は甘いと思うけど、私もそうされたかったから似た者同士かもしれない。 「長すぎます。休憩終わりますよ?松川さんの機嫌損ねると仕事できません。」 「松川君より今は僕との時間を…」 「仕事に支障があるのは困ります。」 「そうだけど、少しだけ…ねっ?」 甘えた声で私にウインクをして、はぐしてからのキス。って、気を許すとこの羊さんも狼になるんだから困る。 「やっ!それ以上はダメです。仕事終わって…!?」 「終わったら、それ以上してもいいの?」 「違います。休憩時間終わりますから開発部の部屋に戻りますよ。」 「そうだね。橘さんって、結構大胆なんだ。」 「契約した途端に手を出す阪下さんに言われたくありません。それに、私は仕事終わってから続きをしたいのではなくて。」 「ごまかさなくてもいいよ。そんなに僕にされたかったとか意外だからどうしようかなって思ってね。」 浮かれ気分でフワフワした尻尾とモコモコな被り物が見えたなんて言うまでも無いけど、このお気楽羊さんを私は好きになったからどうしようもないかな。 「カズカズ…またゲーム一緒にして欲しいんだけど仕事忙しい?」 「陽ちゃん、昼の休憩時間一緒にゲームしようか?橘さんも一緒だけどいいかな。」 「指導係だから一緒にいるんでしょ?別にいいよ。」 「私は、他の人と食べますから大丈夫です。」 「橘さん、気にしなくてもいいんだよ。」
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