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それから、私の隣で分からない用語の説明を分かりやすく説明してくれたり暗記がスムーズに出来たお陰で何とか課題をクリアする事が出来た。
「課長から合格もらいました。」
「うん。まずは第一歩だね。おめでとう。」
「はい!ありがとうございます。」
優しい笑顔と前向きなタイプに私も笑みがこぼれる。教え方が上手だったから理解が早くできた。私、あのまま暗記してたらなかなか覚えられなかったよ。
『彼のお陰という事ですね。』
「えっ!?」
「どうしたの?」
幻聴に幻覚?私の目の前に黒い燕尾服を着たモコモコ羊が見えているんだけど。夢?何度目を瞬きしてもこすっても見えている。
『私は、恋を手助けする羊の執事。恋のコンシェルジュとも言いますが、貴女は隣にいる方に恋をした為に私が現れたのですよ。』
「羊の執事って、ダジャレ?」
『…ともかく、私の姿は貴女にしか見えませんので周りへの配慮をお願いします。』
「分かりました。」
「何か見えてるのかな?」
「!?あっ、勉強のし過ぎで脳が疲れてるんですよ。ただの一人言です。」
やや苦しい言い訳をして、何とか羊の執事が見えてたのをごまかした。
「そうなんだ。じゃあ少し、休憩してからやり方教えた方がいいね。コーヒー飲みに行こうか?」
「はい。」
休憩室で、阪下さんに連れられて自動販売機に行った。歩いてる時でも彼が着ているスーツからくる優しい匂いが私を癒してくれる。
「…橘さん?」
「!?はい。」
「大丈夫?暗記、頑張ったご褒美に奢るから好きなの選んでね。」
「いいんですか?お言葉に甘えさせてもらいますね。」
大好きなカフェラテを選んだ。疲れた脳も癒されるはず(笑)
「僕は、何にしようかな?ブラックにしよう。眠気覚ましに。」
少しだけ二人だけの空間。羊の執事さんは…私の肩に乗っていた。ビックリして吹き出しそうになるのを我慢した。
「ケホケホ。カフェラテが、熱い。」
「ホットなのに、急いで飲んだの?慌てん坊さんなんだね。」
「ハハ…猫舌で火傷しました。」
『二人だけの時間は貴重です。頑張ってお話して下さい。』
「…あの、阪下さんは何歳ですか?」
「僕は、40歳になったばかりだよ。幾つに見える?(笑)」
「(年上!?爽やかで童顔だもの。)20代後半ぐらいかな?って思いました。」
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