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「20代だったら、ガッカリだった?(笑)なんてね。」
「20代ならそんな冗談言える余裕無いですよ。」
「さっきの優しい爽やかなおじさんは、45歳だよ(笑)」
「おじさんって、失礼です。私からすれば優しいパパさんでお兄さんですよ。」
「お兄さんね。じゃあ、僕もお兄さんでいいのかな?(笑)」
私をからかうようにガチガチになった緊張の糸を雑談しながらといてくれた。
「仲良くなったのはいいけど、そろそろ朝のミーティング始めるから帰って来るように。それと、誰がおじさんだって?」
「あれ?聞かれてしまいましたか(笑)」
「橘さんのフォローも聞こえてたよ。ありがとう。」
私達の部署のグループリーダーの三濱さんが、呼びに来てくれた。阪下さんは、三濱さんに軽くお説教されながら私の前を歩いている。お調子者の愛されキャラらしい(笑)
「今日は、前から言ってた新しい化粧品の企画案を各部署で出すことになった。尚、部長に迄企画案が通ればその部署に褒美が貰えるらしいので他の部署に負けないぐらいの結束力を期待している。ああ、それと知っていると思うが阪下君は新人の橘さんの指導係り頼むよ。」
「はい!任せて下さい。」
「三濱リーダー、後よろしく頼む。」
「はい。」
優しいけど仕事には真っ直ぐでヤル気ない者に手厳しい課長は、紳士的であめとむちの使い分けを知っている素晴らしい上司だった。
『ああいう紳士なおじさまも好きなのですね?』
「!急に話しかけないでよ。ビックリするから。」
『失礼しました。それより、阪下さんは随分とお調子者の様で。あれが彼の愛されキャラなのでしょうね?』
「あれ?橘さん、そのマスコット可愛いね。」
『何と!?私が見えるとは…これは、もしや彼も満更ではないのかもしれませんね。』
「…たまたまじゃないかな?妖精さんが一瞬見えるようなものでしょ。」
「羊が燕尾服着てるよ。可愛いな。」
阪下さんは、羊さんを手に持ってまじまじと見ていた。意外とメルヘンキャラなのかもしれない。
「阪下さん、イベントの企画案って私も参加出来ますか?」
「もちろん出来るよ。指導係りの僕にレクチャー受けながら一緒に考えてみる?」
「はい!よろしくお願いします。」
「はりきるのはいいけど、阪下君ちゃんと橘さんに指導してあげてね。」
「岡西さん手厳しいですね。」
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