第1章

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早くエレベーターに乗って、部屋に向かえばよかったのだ。しかし、何日もポストを見ていなかったことを思い出して、つい、開けてしまった。 その瞬間ーー 中から、バサバサバサ、と大量の手紙が落ちてきた。 「ひっーー!」 美咲は青ざめて後ずさりをした。 全部同じ、白い封筒だった。宛先はどれも美咲だった。差出人は書いていない。 今日から美咲がこの部屋に住むことになっているのを、知っている人はそういないはずだ。 が、美咲には心当たりがあるようだった。 「まさか……なんで……」 その白い顔は、恐怖に青ざめている。 僕はおそるおそる、封を開けてみた。中身は全部、同じだった。
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