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アイテム扱いかよ!と思うかもしれないがしょうがない。
「じゃあやってなの!」
「あーはいはい。雷疾、収納は頼んだ。ちゃんちゃららーん、マークIIは無印の中に入る。」
「やる気なさげだな。」
僕は呪文もどきを唱えると、無印とマークIIが同化する。うん。
「収納…要らんかった。」
「じゃあ細かいの決めないとな。」
…
「よし、マークIIと無印が一緒になった6人は、念じれば元に戻ったりまた纏まったり出来るようにしたから。じゃあ行こう!」
「楽しみだなぁ!久し振りの家!」
…
「…えぇ…目の前に家…ですか。」
ゲートをくぐってたどり着いたのは、僕とお兄ちゃん、木枯家の家の前だった。
「あっ!私の家だあ!」
「懐かしいわ、この家。」
柚子葉ちゃんと由利香お姉ちゃんの家は木枯家の隣、外から玄関の方向を向くとき、右に柚子葉ちゃんの家、左に由利香お姉ちゃんの家がある。親同士が元々仲が良く、同じ時期に産まれたから幼馴染として育ってきた。
「さて、愛海ちゃんと真里ちゃんの家はどこら辺なの?送るよ。」
「………」
「あーいや、お気遣いは嬉しいけど…」
愛海ちゃんと真里ちゃんは、それぞれ柚子葉ちゃんの家の右側と由利香お姉ちゃんの家の左側にある家を指差し、真里ちゃんが、
「私の家、ここなんです。」
愛海ちゃんの代わりにスカーレットさんが、
「愛海の家、ここらしいわよ。」
と言った。
「まじかよめちゃくちゃご近所じゃねえか…」
お兄ちゃんが驚き、
「ハァ?」
由利香お姉ちゃんが絶句し、
「偶然だなぁ。」
柚子葉ちゃんが呟き、
「やったね!学校一緒に通えるよ!」
僕がちょっとズレた発言をした。、その時だった。
「沙良は今日の体育は何やってたの?」
「私はね?バレーボール!だけれどやってる時に犬が入ってきちゃってもう大変だったの!」
「どうやったら体育館に犬入ってくんの…」
という、学校帰りでよくありそう…犬の件以外は学校帰りでよくありそうな会話が聞こえてきた。
「まさか…」
その声の主は、家の近くの曲がり道から曲がって来た。片方は眼鏡をかけていて、襟が伸びた身長180㎝ほどの白髪の学生だ。もう片方は黒髪で、長い髪を両サイドに纏めた身長140㎝ほどの少女だった。
「でな…」
学生の男はこちらに気付くと、順番に見ていく。そして、僕に視線が向けられると硬直する。
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