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「どうしたの?晴翔お兄ちゃん。なにか変なのでも…」
少女は男の視線を追い、僕の方を向く。そして涙目になり、駆けて来る。
「林斗お兄ちゃん!」
少女は僕に飛びつく。およそ50メートルを5秒で走って来たのだから、だいぶ衝撃が来た。僕は地面にぶつかりそうになり、空気のクッションを作る。そしてそのクッションは僕を受け止める。
「林斗お兄ちゃーん!寂しかったよぉ!元気にしてた?病気になってない?」
少女は泣きながら早口で言う。その間にいつのまにか男が近づいていて、僕を起こした。
「大丈夫?林斗にいちゃん。」
僕が後ろを振り向こうとすると、後ろから抱きしめられて、耳元で囁かれる。
「好きだよ林斗にいちゃん。会えなくて寂しかった…」
「ちょっ!」
僕は2人をひっぺがし、2人に対して言った。
「沙良!全速力で飛びついて来ないの!怪我しちゃうから!晴翔!そんな行動は女の子にやってください!恥ずかしいですから!」
…木枯暗徒サイド
「あっ、晴翔!俺の林斗を取るな!」
「うん?あ、暗徒にいちゃん!久し振り。言っとくけど林斗にいちゃんは渡さないからね。」
「なに言ってるの2人とも!林斗お兄ちゃんは私のものだよ!」
「いや、離してくれませんか!?」
林斗は、2人をひっぺがして怒鳴った後に2人にまた抱きつかれ、その結果がこれだ。
「っと、そうでした。」
晴翔は一度林斗から離れ、一緒に来ていた神と悪魔、悪魔城メンバーの顔を順番に見て、
「皆さまは、見たところ人間ではないようですね。恐らく泊まるところがないのでしょう。お父さんやお母さんには言っておきますが、兄の部屋に泊まりますか?要望があるなら融通を利かせますが。」
と、難しいことを言った。すると男性陣は、
「空き部屋とかがもしあったらそちら一部屋でいいです。」
そのアークの言葉に頷いた。その言葉に晴翔は、
「では、家に一部屋空き部屋があるのでそうしましょう。では女性の方々、貴女達は林斗にいちゃんの部屋でいいですか?」
こう尋ね、
「はいぃ!?」
林斗がこう叫んだ。
「あ、お願いします。」
バステトもこう言った。あれだ。グダグダクトゥルフ神話TRPGみたいな無理矢理感が…いや、やめておこう。
そして俺は、考えるのをやめた。
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