0人が本棚に入れています
本棚に追加
…木枯林斗サイド
「林斗にいちゃん、愛されてるね。妬けちゃうなぁ。」
「それはどっちにですか?僕に嫉妬するのか、相手に嫉妬するのか。もちろん僕」
「相手に嫉妬してるよ?」
もうやだこの弟。
「林斗君!挨拶して来たわ!今日は林斗君の家に泊まりなさいってさー!」
由利香お姉ちゃんが叫びながら来る。いつのまに行ってたのかはわからないが、由利香お姉ちゃん含め4人、柚子葉ちゃん、愛海ちゃん、真里ちゃん、由利香お姉ちゃんの4人が一旦帰ってたらしい。
「あの…私の今までの事を大雑把に説明して、林斗君の事も説明したら泊まってこいだって。」
「あ、私も!泊まってこいって言われた!」
真里ちゃん、柚子葉ちゃんが順番に話す。
「真里ちゃん最初と喋り方違くない?」
「んなっ、気のせい…です。」
僕は俯いた真里ちゃんのおでこに手を当て、体温を確認する。
「ふぇっ!?」
「うぅ~ん、うん、熱はないみたい。気のせいだったね。」
そう言って真里ちゃんを見ると、顔を真っ赤にして硬直状態だった。そしてそれに首をかしげていると、シャツが急に引っ張られる。隣を見ると、愛海ちゃんの照れてるような表情がそこにあった。
「…愛海ちゃんも泊まるの?」
「…(こくこく)」
まじかぁ。
「よし、話は纏まったみたいですね!お兄ちゃん達!家に入ろう?流石に暑いから。」
その沙良の言葉に、ふと疑問が浮かぶ。
「…なあ、今は何月何日で、僕達がいなくなってからどんぐらい経ってるんだ?」
その言葉に沙良は、ツインテールを振って僕の方へ向き、言った。
「今は2018年の5月6日だよ。一ヶ月ぐらいしか経ってない。先生達に晴翔お兄ちゃんは直談判して、お兄ちゃん達3人はみんな留年って事になったよ。」
その言葉を聞いて湧き出たのは、驚きや悲しみなどではなく喜びだった。
「じゃあ、3人で一緒に行動できるね!」
「…林斗お兄ちゃん、そんな可愛い仕草はやめた方がいいよ。」
沙良の言葉に女性陣が頷いているが、僕には何処が駄目か分からない。僕べつに可愛い仕草なんかしてないんだけどなぁ。まあ取り敢えず、
「やっぱりみんなと行動するのはすごく嬉しいな。みんな可愛いし、カッコいい。美少女の恋人や友達や兄弟、妹を持った僕は本当に幸せ者だね!」
と言っといた。言いたくなったのだ。そうすると、女性陣のみんなとお兄ちゃんに晴翔から抱きつかれた。なんか恥ずかしいかど嬉しいな。
最初のコメントを投稿しよう!