運命の分かれ道

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運命の分かれ道

「…んで、僕は何でこういう事に?」 今の僕は、正座をさせられている。0に等しい古参なら分かるだろう。そう。スカーレットだ。スカーレットなのだが… 「………」 契約者である女の子含め、無言なのだ。さっきの騒動のあと、すぐに走って来たスカーレットと女の子は、ずっと無言だ。そして、一つおかしい事がある。その女の子は、髪は長く、、水色。目は黄色い。服装はワンピースの美少女だ。だが、元々僕自信がいた世界だと、この立場は由利香ちゃんのはず。…一筋縄ではいかないなぁ。 「…愛海(あみ)ちゃん?無言だと林斗くんは分からないと思うんだが…」 …愛海ちゃん、確か昔、まだ僕達が普通に日本で暮らしていた時に中学校でいた子だ。1年の頃から美人で、マドンナ的存在。高校生になってからは分からない。何しろ接点が無かったからどこの高校へ行くかがなぁ。だが、これである程度分かった。変化しているのはバステトの部屋に来てからの生活。日本から来た子などは、変化のしようがない。だから一周ごとにスカーレットの契約者の立ち位置が違う人になったりするんだ。つまりこの愛海ちゃんが、由利香ちゃんの立ち位置という事。というかなぁ… 「…愛海ちゃん。高橋愛海ちゃん…だよね?」 僕がそういうと、愛海ちゃんは一瞬驚いたが、すぐに怒ったような表情になる。 「…久し振りだね愛海ちゃん。木枯林斗だよ。」 愛海ちゃんは頷く。おそらく知っているという事だろう。ただ、僕に向けてくるその複雑そうな表情は何だろうか。 「…愛海ちゃん。中学生の時からずっと可愛いよね。」 ちょっとふざけて本心を言ってみると、愛海ちゃんはその綺麗な顔をツンとさせ、青く長い髪を振りながらプイッと横を向いた。その仕草にちょっとドキッとする。 「…ほな、俺らは退散させてもらうわ。ほら、みんな外出て。スカーレットはんも。」 「な、なんでよ!私は見るわ!これを、見届けるんだから~!」 スカーレットさん、あっちだと一回しか会ってなかったけどあんな感じなのかな?って 「2人きりにしないでもらえますかぁ!?」 みんなは玄関から出て行き、玄関までの廊下に、僕と愛海ちゃん2人だけ取り残される。愛海ちゃんは慌てた様子になり、目を僕から逸らして片腕を抱くようにして立つ。その動作一つ一つが可愛らしく、先程から心臓の鼓動が止まらない。 「あ…あの?」 「……」 愛海ちゃんは、ほっぺを膨らませてこちらを睨む。
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