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12月23日。
クリスマスパーティ当日。
みんなでミツルの家に集まった。
25日はみんな家族で
クリスマスパーティをするからと
少し早いこの日に集まることになった。
トモキと一緒にミツルの家に行くと
立派な門の前にみんなが待っていた。
ヒロ「すご・・・・」
トモキ「ミツルの家は「ジヌシ」ってやつだからな」
カノン「トモキ、それ意味わかってて言ってる?」
トモキ「知らね(笑)金持ちってことだろ?」
ミツル「じいちゃんがな(笑)」
ミツルに案内されて奥の部屋にに行くと
大きく長いテーブルに
見たことないくらい豪華な料理が
ずらっと並んでいた。
ヒロ「金持ち・・・・」
ミツル「じいちゃんがな(笑)」
ミツルのおじいさんは
この辺一帯の大地主で
その長男の子供がミツル。
つまり跡取りってやつだった。
ミツル母「いらっしゃい。ゆっくりしていってね。」
ミツルのお母さんは凄く料理上手で
一日かけて用意してくれたらしい。
出来栄えももはやプロ級。
部屋の中はクリスマスの飾りつけで
赤と緑で彩られ
お店で見るくらいの
大きなクリスマスツリーが飾られていた。
この日は5年生全員が揃った。
トモキ、カノン、ミツル、ツバサ、
ミカ、ナツ、シン、キイ。
僕を含めて9名。
トモキとミツルが
人気のお笑い芸人のマネをしたり
カノンがクリスマスソングを
ピアノで弾いてくれたり
今まで経験したことないくらい
楽しい時間に頭が付いていかないくて
ぼーっとしてしまった。
ミツル「ヒロ?つまんねぇ?」
ヒロ「や、そうじゃなくて・・・・」
トモキ「???」
この時、本当は恥ずかしくて
自分の気持ちなんか
言葉にするつもりなかったのに
みんなが僕を心配そうにのぞき込むのをみて
ちゃんと伝えたいって思ったんだ。
ヒロ「僕、こういうの初めてで・・・・なんていうか・・・・」
そこまで言うと言葉に詰まった。
なんて言えばいいんだろう。
『楽しい』とか『嬉しい』とか
そういう簡単な言葉じゃ伝わらない気がした。
するとトモキがニヤッと笑って
トモキ「最高??」
そう・・・・
まさにそれ!!って感じで
ヒロ「さいっこーーー!!!」
僕が笑ってそういうと
みんなが「いえーーい!!」と立ち上がった。
初めての僕の「仲間」っていう存在が
トモキ達だったんだ。
トモキのくしゃっとなる笑顔が
俺をまたワクワクさせる。
。
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