STORY:1 転校生と田舎町

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STORY:1 転校生と田舎町

「ばいばーーい」 「げんきでねーー」 もう何度も聞いてきたその言葉。 別れの度に聞いてきたから すっかり慣れっこの僕。 仲のいい友達だったってわけでもなく 口をきいたことのない子でさえも 僕を見送ってくれた。 「げんきでな」 そういってきたアイツの名前 なんだっけ?? クラスメイトの名前を一々覚えても すぐに別れがやってくるので 最近では面倒になって 覚えるのをやめてしまった。 僕の父は転勤族ってやつで 小学生までは何度かの 転校を経験していて 僕なりの処世術も身に着けていた。 社会適応能力は大人よりも 数倍も優れてるんじゃないか?? そんな僕の人生で最後から二番目の転校は とある海辺の田舎町。 そこには茶色い景色と寒空と なんとなく苦手だった海。 そして・・・・ 温かすぎる仲間がいた。 。
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