恋愛詐欺師と恋愛小説家

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「本当に変わったひとだな、あなたは」 「だから騙しやすいと思ったのでしょう」 「ええ、まあ」 「そんな風に笑って言えるんですね」 「俺はあなたの幸せを願えないもので」 「いいえ。これからきっと変えてみせます」 「…詐欺師として、これ以上あなたと居ても何一つメリットは無いのに、どうしてこれからなんて言えるのか、わからないな」 「あなたはわたしに興味を持つからです」 「随分と強く言いきるね」 「これから先のあなたの人生で、こんなことを言う人間はもう二度と現れません。だから、あなたはわたしに興味を抱かずにいられないんです」 「………」 「もう一度言います。わたしと、おつき合いしてください」
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