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――パチン
真っ暗な部屋に明かりを付ける。
するとそこには、信じられない光景が広がっていた。
「メリークリスマ-ス!」
パンパン、と祝砲を告げるクラッカーが6畳ワンルームの部屋に鳴り響く。
クリスマスケーキを中心に友人たちがサプライズパーティの準備をしていた。
壁には折り紙で作ったリースや輪っかが部屋を囲う。小学生か。
ケーキにはご丁寧に蝋燭に火まで灯っている。部屋が明るいから、分かりにくいぞ。
お値段以上の店で買った小さい机の上には豪勢なチキンが温泉のような湯気を立てて、シャンパンやワインたちに囲まれている。
(そういえば、会社の同僚に元社員が話してたなークリスマスの日にの売上は普通の日よりも3倍以上売れるから大変だって)
みんな、そんなにチキンって食いたいのかな。まぁ、食いたいか食いたくないかって聞かれたら、他人の金で食えるチキンは最高だよな。
部屋の隅にはわざわざ押入れの奥から引っ張ってきたのか、ツリーがシャンシャンと輝いていやがる。後で電気代を請求してやるからな。
「待ってたぜ。パーティはこれからだろう?」
友人がシャンパンの蓋を開けながら、俺の方へ近づいてくる。
「おい、よせ。蓋をこっちに向けるな!」
「なるほど。そういうフリか」
何を勘違いしたのか、コイツは蓋を俺の方へと向ける。おい、バカ。やめろ。
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