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方円くんと知り合って、一週間が経った。
未だ友達はゼロ!
そんな私の気も知らず、彼は以前同様フラスコで何かを熱していた。
「私が何をしたっていうのよー、友達欲しいよー」
机に突っ伏し、愚痴愚痴と不満を漏らし、口を尖らせた。
それを聞いた方円くんが作業しながら、目もくれず声をかけた。
「僕が友達になるって言ったじゃないか」
「絶対いや」
「そうかい」
そう言うと、方円くんは作業に集中し始めた。
・・・なんかムカつくんですけど。私そっちのけで何を夢中になってんだか。
気になった私は方円くんの作業をじっと見てみると、ある事に気が付いた。
「ん?それって前作っていた、えーと・・・」
「ホムンクルス」
間髪入れず答えられた。
「そう、それ!人間を作ってるっことだよね?大丈夫なの、色々・・・」
「人間と言うと、語弊がある。君にも分かるように詳しく言うと、人型の人工生命体という言い方が相応しいと僕は思っている」
「じゃあ、大丈夫なんだね、その、倫理的に」
「僕はギリセーフかなとは思う」
基準お前かい!だんだん方円くんがマッドサイエンティストみたいに見えてきた。
私は少し、いやかなりドン引きしながら、相槌を打つ。
「へ、へー。これは何を熱してんの?」
「精液だ」
「せっ・・・・!」
「あとハーブを何種類か入れてる」
「あ、あああああ!あんた何澄ました顔で言ってんの!」
何この公開セクハラ!?こいつ法律ギリギリじゃない!
「何?布等芽さん、ホムンクルスに興味あるのかい?」
フラスコを近づける方円くんに向けて、私は怒鳴りつけ、そして・・・
「そ、それをこっちに向けんなあぁぁぁーー!!」
・・・思いっっっ切り、平手打ちをくらわした。
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