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「ちょ、ちょっと何その動いてるやつ!キモすぎるでしょ!」
「これ?・・・ホムンクルス」
は?ホムン・・・クルス・・・?何それおいしいの?
「簡単に言えば、人造人間だ・・・。あ、言い忘れた。僕は方円灰夢、錬金術師だ。以後お見知りおきを、布等芽ニコさん」
と名乗ると、彼はニヤリとほほ笑んだ。
・・・・・・。ニコは静かに彼から目を逸らした。
その後、ニコはクラスメイトと仲良くなろうと試みたが、自己紹介の時に盛大にやらかしてしまったせいか、「この子に関わるとめんどくさい」というオーラを少なからず感じてしまい、息苦しかった。
「・・・はあ、何で友達が出来ないんだろ。必死に頑張ってるのになあー」
「自己紹介が原因じゃないか?正直あれはこの僕もドン引きだった」
「わ、分かってるよ、うるさいなあ!」
隣の席の男子に図星を付かれ、動揺するニコ。
「それに方円くんも友達いないでしょ!」
「いや、いるけど」
「・・・・・・え?」
馬鹿な、私はこんな男よりも下だというのか。こんな長い白衣を常に纏った自称・錬金術師よりも。
「ま、またまたぁ、分かりやすい嘘はやめなよ」
(どーせ、私しか話す相手いないでしょ、そうなんでしょ、そうと言ってよ!)
ニコは内心必死で焦燥感に煽られていた。
「部活入ってるから、友達いるよ」
・・・完敗だ。部活やってたらリア充に決まっている。
ニコは強いショックを受け、机の上に顔を突っ伏した。
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