布等芽ニコと方円灰夢

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「うぐっ・・・、どーせ私なんかぼっちですよ。あ、あんなに頑張ったのに、高校デビューに失敗して・・・、今じゃこんな・・・」 嗚咽を交えながら、ニコは嘆き始めた。 それを見かねた灰夢はニコに励ましの言葉をかけた。 「僕は楽しいけど。布等芽さんと話すのは」 「ふぇ・・・?」 「錬金術師に真の意味で友達なんていない。でも、君なら僕の友達になれるかもしれないな。受け取って欲しい、これは友好の印だ」 言っていることは意味不明ではあったが、その言葉は虚言のようには聞こえなかった。 彼はニコの机に何か置いた。すると顔の近くから甘く柔らかいカカオの香りがした。 「これはココア?あ、ありがとう、方円くん!」 (何だ、いいとこあるじゃない。ま、まあ、こんな高校デビューもありかな・・・なんて) 彼の気遣いに感心し、頂いたココアを飲もうとした。しかし、それと同時に、何か違和感も感じ、彼の方に目を見やった。 彼の机の上には、見たこともないような色彩の液体がズラリと並べられており、中央にはアルコールランプでココアが熱せられていた。 「・・・・・・。あの方円くん」 彼女の呼びかけに反応し、灰夢はその方へ顔を振り向かせた。 「これ・・・、本当にココアでいいんだよね?」 沈黙を作る方円灰夢。それに質問を続けた布等芽ニコ。 「これ・・・、変なの入れてないよね・・・?」 ニコがそう聞くと、灰夢は今日一番の笑みを浮かべた。 「飲めるかぁーーーーー!!」
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