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「ナナ!おはよー!」
「よ!」
振り返ると、胸の辺りで緩く巻かれた黒髪を揺らしながら近づいてくる親友の「マナ」と、その隣で白い歯を見せて笑っている幼馴染みの「タク」の姿があった。
「おはよっ」
二人に挨拶をすると、道路側からタク、真ん中に私、そしてその隣にマナ。いつしか決まったそのポジションに並ぶと、一緒に歩き出す。
小学校からの腐れ縁のタクに、中学からの親友のマナ。
登下校も一緒。
昼休みも一緒。
そんな私達を、周りは「仲良し三人組」と呼ぶ。実際、私達は仲が良いし何でも話せる間柄だ。
しかし、いつしかマナの家にタクがお迎えに行くようになったことに。
前まではフラフラと歩いていたタクが、いつの間にか道路側を歩くようになったことに。
__私は気づかないふりをしている。
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