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「…ナナ!!」
ハッと目を開ける。
消毒の匂い。
静かな空間。
目の前には心配そうなマナの顔があった。
「あー!良かったよー」
抱きついてきたマナの後ろには白いカーテンがあって、辺りを見渡すとどうやらここは保健室らしい。
「あの後、タクがナナを運んで保健室まで来たの。なのに放課後まで目を覚まさないから心配したよ…」
…放課後。
私は随分、眠っていたみたいだ。
「タクは?」
「今、ナナの荷物を持って来てくれてる。帰れそう?」
「…うん。すぐ行くから昇降口で待ってて」
「わかった」
頷いたマナは保健室から出て行く。
私はゆっくりと起き上がると、ふと頭を触る。すると予想通りたん瘤ができていたことに少し落ち込むけれど、他に異常がないことを確認すると二人が待つ昇降口に向かった。
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