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「お待た…」
「お前ら、付き合ってんじゃねーのか?」
昇降口にはマナとタクがいて、クラスメートの吉田君が二人をからかっている。
「ちげーよ」
「違うよ」
不貞腐れた口調のくせに照れた顔をしているタクに、否定していながらも言葉と裏腹にどこか嬉しそうな顔をしているマナ。
…二人を見ているとイライラする。
「私達は親友。変なことを言わないで」
割って入ると、吉田君がつまらなさそうな顔をして去って行った。
「荷物ありがとう」
「お、おう。それより大丈夫なのか?」
「うん。マナもありがとう」
「ううん」
二人はどこかぎこちなく笑う。
だけど私は気づかないふりをして、二人の腕を取り歩き出す。
「帰ろ!」
だってこうしている限り、私達の関係が変わることはない。
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