12人が本棚に入れています
本棚に追加
「…ナナ!!」
ハッと、目を開ける。
そこで自分が、いつの間にか目を閉じていたことに気づく。
あれ…?
私、昇降口にいたはずなのに。
「あー!良かったよー」
抱きつくマナ後ろにはやっぱり白いカーテンが見えて、私はどうやらまた保健室にいるらしい。
「あの後、タクがナナを運んで保健室まで来たの。なのに放課後まで目を覚まさないから心配したよ…」
拭い切れない既視感に私はそっと口を開く。
「…タクは、私の荷物を持って昇降口に?」
するとマナは少し驚いた顔をしながら頷いた。
どうなっているのだろう…。
さっきのは夢?
それともこれが夢?
「…ナナ?」
「え?あ。…す、すぐ行くから昇降口で待ってて」
「わかった」
私は保健室から出て行くマナの背中を、ぼんやりと見つめていた。
もし夢の通りならば、昇降口で吉田君が二人をからかうはず。私は頭にできた、たん瘤を確認すると保健室から飛び出した。
最初のコメントを投稿しよう!