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「お前ら、付き合ってんじゃねーのか?」
やっぱり、夢と同じだ…。
昇降口で吉田君が同じ台詞を吐いている。
「ちげーよ」
「違うよ」
タクの不貞腐れた口調も。
マナのどこか嬉しそうな顔も。
全部が同じだなんて…。
「へー。内心ニヤついてるくせに格好つけんなよ」
「きゃっ」
「おい!」
タクに向かってマナを突き飛ばした吉田君は、そのまま去って行く。私が割って入らなかったから、さっきの夢とは結末が変わったようだ。
「大丈夫?」
「ナ、ナナ!」
二人に声を掛けると、バッとタクから離れたマナは、赤く染めた頬を背ける。タクはどこか、気まずそうに頭をかいている。
…二人はお互いの気持ちに気づいているのだろうか。
もし気づいているのなら……。
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