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「…ナナ!!」
目を開けた瞬間、思わず溜め息が漏れた。
「…また」
「え?」
心配そうな顔をしたマナが、今度は不思議そうな顔をしている。
「私が気絶してタクが保健室まで運んでくれた。それから私は放課後まで寝ていて、タクは今私の荷物を持って来てくれてる。でしょ?」
「…あ、うん」
…本当、何なの?
何でまた繰り返してるの?
「…ナナ?」
ベッドの横のパイプ椅子に腰掛けているマナが、どこかそわそわとしている。そういえば、今までは余裕がなくてマナの様子を気にかけてあげられなかった。
「…ごめんね、心配かけて。もう大丈夫だかから。先に昇降口に行ってていいよ」
「……わかった」
少し間を開けて答えたマナが、保健室から出て行く。
これは、夢?現実?
もうそれすらわからなくなっている。
しかしどちらにしても、同じことを繰り返していることに代わりはない。
何故、繰り返してるの?
どうしたら、この繰り返しを止められるの?
いくら考えてもわからない私は、諦めて二人の待つ昇降口へと向かった。
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