第6章

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「干渉するな。俺にも、あいつにも」 気付けばユイランの顔はリオンの近くにあり、綺麗で長い黒髪がパサリと彼女の顔に当たった。 ユイランの瞳は強く、けれどどこか寂しそうにも思えた。 「何をしているの?」 僅かに開いた扉の隙間から、金糸の髪がフワリと見えた。 (ユーフェン?) 開かれた扉から現れたのはユーフェンではなく、一人の少年だった。 パーマがかかった金糸の髪に、ブルーの丸くて大きな瞳。 (可愛い……) 女の子のように顔立ちが良く背も低いので、まるで天使のようだ。 「兄上、女の子に何をしているの」 その少年は、今度は強めにそう言うと、ユイランの服を引っ張った。 「兄上、リオンの怪我の手当てしたいから手を離して」 ユイランはチッと舌打ちをすると手を離すが、まだジンジンと痛みの余韻が残る。 「リオン、来て」 「えっ、でもまだ仕事が……」 「いいの」 少年はリオンの服をグイグイと引っ張り、部屋の外へと連れ出した。 それでもまだ引っ張り続け、お互いに何も会話をせぬままある部屋の前で止まった。 「ここ、ボクのお部屋。入っていいよ」 「え……っ!」 「早く」 少年に背中を押され、半ば強制的に部屋に入れられるリオン。 パタリと扉が閉まる音が聞こえそちらを振り向くと、その少年は心配そうにこちらを見ていた。 「大丈夫? まずお洋服、着替えないといけないね」 (あ、そっか) リオンはスープをおもむろに被っていた。 そのせいで髪は少ししっとりとしており、服もシミが出来ている。
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