第6章

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「ボクのお部屋のお風呂、使っていいよ」 子供とはいえいいのだろうか、と困惑していると、少年は「あ」と声を上げた。 「ボクはライト。はじめまして」 リオンの手を握って、ライトは嬉しそうに笑った。 屈託のない純粋な笑顔に心奪われる。 「ボクのことはライトでいいよ! ボク、君がここに来るのすごく楽しみにしてた。聞いてた通り、可愛い女の子で嬉しい」 躊躇いなく言葉を紡ぐライトに、リオンは顔を赤らめた。 小さくても、可愛らしくても、ライトは紛れも無い紳士だった。 「私も、会えて嬉しい」 恥ずかしさで、そう答えるのが精一杯だった。 それでもライトは満足げに笑みを返すと、浴室へと続くのだろう扉を指差した。 「お風呂、あっちだよ。新しいお洋服、ソルトに頼んで持ってきてあげるね」 「ありがとう」 リオンのお礼を聞くと、すぐに彼は無線機のようなものを取り出した。 この広い城の中で、人との連絡を取る手段なのだろう。 リオンは服のことはライトに任せ、すぐに入浴することにしたのだった。 ソルトが持ってきた新しい服に身を包む。 そして腕の手当ても彼にしてもらい、リオンは頭を下げた。 「ありがとう」 「もう大丈夫か?」 救急箱の扱いに慣れているのか手際よく薬品をしまうと、くるくると包帯を巻いていく。 一方ライトは不満そうに彼女を見上げた。 「ねぇリオン、兄上の付き人じゃなくてボクの付き人になりなよ。ボクも付き人欲しいんだ」 「おいライト……」 ソルトは困ったようにライトの肩を叩くが、せがむのを止めようとしない。
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