第6章

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「ね、お願い」 小首を傾げて目をキラキラとさせ、何てこの少年は確信犯なのだろうか。 けれどリオンは優しく微笑み、ライトの頭を撫でた。 「気持ちは嬉しいけど、自分で決めたことは最後までやり通さないと」 「リオン……」 ガックリと肩を落とすライト。 リオンはライトと同じ目線になるように座り、言った。 「でも、呼んでくれたらいつでも傍に行くからね」と。 リオンはライトの部屋を出ると、もう一度ユイランの部屋に向かうことにした。 机を倒してしまったせいで、今頃床は散らかり放題だと思われるからだ。 まさかあの男が箒を持って掃除するとは考えにくい。 (また何か言われるだろうなぁ……) ユイランの部屋に向かう足が重い。 ノロノロと廊下を歩いていると、どこかの部屋から女性の咳き込む音が聞こえてきた。 風邪をひいているのだろうか。 その音は乾いていて、咳をしても楽にならないような咳き込み方だった。 (誰か病気なのかな……) そう思いながらも足を部屋へと進める。 この時彼女は、あまり気には止めていなかった。 「ユーフェン?」 ユイランとリオンの部屋の境目辺りに佇むユーフェンの姿を確認すると、リオンは慌てて駆け寄った。 「どうしたの、何か用事?」 「そんなんじゃないよ。ソルトから連絡貰って……」 ユーフェンは彼女の姿を改めて見、包帯が巻かれた腕を取った。
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