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男同士のセックスはインターネットで調べていた。
だけど、良く分からなくて何の準備もしていないおれに、航平さんは丁寧に準備の仕方を教えてくれた。
聞いている最中はすごく恥ずかしかったけど、もしきちんと準備をしなければ大惨事だったことを考えると、よかったのだと思った。
初めてでガチガチに緊張していたおれを、航平さんは優しくリラックスをさせながら抱いてくれた。
ゲイに人気のあるがっちりした体つきの男らしいタイプでも、きれいな容姿でもないおれが慣れない挿入に涙を流して顔をぐちゃぐちゃにしている姿なんて、滑稽以外の何ものでもない筈なのに航平さんは、嫌がるそぶりも見せず、ただひたすら優しかった。
だから、好きになるなって方が無理だったのだ。
だって、そんな優しいセックスを誰かとできるなんて思って無かったのだ。
優しく髪を撫でて、そっとキスを落としてくれて、指を絡ませてくれる。
そんな、まるで恋人同士の様な行為だった。
思ったよりごつごつした指も、熱い昂ぶりも、汗のにおいも何もかもが初めてのことで、ただ、ただ翻弄されただけだった。
明らかに行為になれていた航平さんには、つまらないものだったと思う。
けれどもおれの中で航平さんが弾けて、その後おれも達して。
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