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別れ話じゃなかった安堵でどうやらおれは気が大きくなっているらしい。
「何もいらないから、クリスマスの夜一緒に過ごしてくれませんか?」
そう言うと、航平さんはもう一度おれの手を引いて、今度は正面から抱きしめてくれた。
「勿論一緒に過ごそう。
湊はもっと我儘を言っていいんだからな。」
それから、そう言って、自業自得でも何もいらないは傷付くんだぞと付け加えた。
「ごめんなさい。」
「湊が謝ることなんか何もないだろう。
勝手に俺が嫉妬してただけなんだから。」
抱き締められた腕のなかで、クリスマスまでに航平さんへのプレゼントを買いにいこうと思った。
了
お題:攻めの嫉妬かすれ違い
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