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けだるい雰囲気の中お互いにシャワーを浴びて一息ついていると、航平さんはおれに「連絡先を交換しないか」と聞いた。
断る理由等、何もなかった。
それから航平さんは数週間に一回、おれに連絡をくれる様になった。
一緒に食事をしてそれからホテルへ行く。
食べるお店は毎回違ったけど、それ以外は一緒。
おれとのセックスがそんなに良かったなんて考えられないから、明らかに初めてだったおれは、性病とかそういったリスクが低いのだろうと結論付けた。
実際、セックスをするときは必ず避妊具をつけていた。
それでも、それで充分だった。
性行為をしている瞬間、航平さんは、おれだけを見てくれていた。
知っているのは携帯の番号と名前だけ。
どういう仕事をしているのかも、家がどこなのかも何も知らなかったけれど、それで充分だった。
数時間だけでも、おれに時間を使ってくれるだけで、それこそ飛び上がるほど嬉しかった。
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