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おれの体がセックスになれた頃、航平さんに「付き合わないか?」とベッドの中で聞かれた。
それは、コンビニでジュースでも買おうかという位の気軽さで、最初は何を言われているのか分からなかった。
行為のあとの整わない呼吸で「つ、付き合いたいです。」とだけ返した。
その時満足気に航平さんは笑ったけれど、そこまで付き合ってに深い意味はなく、所謂ピロートークだったのだと思う。
事実、あの時言えなかった好きですは今も言えていないし、航平さんから好きだと言われたこともない。
相変わらず、会うのは数週間に一回夜に食事をして、その後ホテルに向かう。
きっとあの時の言葉はピロートークの一種だったのか、単に他の男とされるのが面倒だったのか、そんなことなのかもしれない。
おれはまだ、子供だ。だからきっといつか捨てられるんだろう。
だけど、確かにあの時付き合ってくれと言われたのだから、おれは航平さんの恋人だと思いたかった。
遊びなのかもしれない。そもそも、恋人面なんてされたくないのかもしれない。
だから「おれのことすきなんですか?」なんて聞けない。
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