短時間 高収入

10/10
前へ
/10ページ
次へ
バイトって、ボタンを押すのを代わるんじゃないのかよ。 画面の中のそいつに不満げな視線を送ったのと同時に、想像していた仕事と違うことへの不安がよぎった。 …だとすると、俺はいったい何をすればいいんだ? 冷や汗が背中をつたい、手が震えてきた。 そういえば、俺は前に見かけた噂を勝手に信じていただけで、ちゃんとあいつに内容を聞いたり、車の中で読んだりしていなかった。 その不安が伝わったのか、職員が声をかけてきた。 「やっぱり、ちゃんと聞かされて無いんだね。 でも、もうやるしか無いからね。」 そう言うと、職員は天井に向かって指をさした。 部屋に入った時には気付かなかったが、天井のその部分だけ、1メートル四方ほど開閉できるようになっていた。 「あそこから、死刑囚が落ちてくるのね。 そうすると、最初はバタバタ暴れるから。 それを抑えながら、思いっきり体重をかけて下に引っ張って 早く楽にしてあげてね。 それが君の仕事だよ。」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加