6人が本棚に入れています
本棚に追加
バイトって、ボタンを押すのを代わるんじゃないのかよ。
画面の中のそいつに不満げな視線を送ったのと同時に、想像していた仕事と違うことへの不安がよぎった。
…だとすると、俺はいったい何をすればいいんだ?
冷や汗が背中をつたい、手が震えてきた。
そういえば、俺は前に見かけた噂を勝手に信じていただけで、ちゃんとあいつに内容を聞いたり、車の中で読んだりしていなかった。
その不安が伝わったのか、職員が声をかけてきた。
「やっぱり、ちゃんと聞かされて無いんだね。
でも、もうやるしか無いからね。」
そう言うと、職員は天井に向かって指をさした。
部屋に入った時には気付かなかったが、天井のその部分だけ、1メートル四方ほど開閉できるようになっていた。
「あそこから、死刑囚が落ちてくるのね。
そうすると、最初はバタバタ暴れるから。
それを抑えながら、思いっきり体重をかけて下に引っ張って
早く楽にしてあげてね。
それが君の仕事だよ。」
最初のコメントを投稿しよう!