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「いいよ。」
俺が軽く言うと、そいつは一瞬呆気に取られて黙ったが、すぐにありがとう、と何度も感謝の言葉を述べていた。
正直、騙されて変なことに巻き込まれるのでないなら、本当に構わなかった。
なぜなら、実はこの裏バイトの噂はネットで見たことがあった。
執行ボタンは、誰が押したかわからなくするために数名で同時に押すのだ。
つまり、自分の押したボタンで刑が執行されたかどうかはわからない。
仮に自分の押したボタンだとしてもだ。
それを自分が認めなければ乗り越えられる。きっと余裕だろう。と、読むたびに思っていた。
そう割り切ってしまえば、代わりにボタンを押すだけで5万円と、かなり割りのいいバイトだ。
そいつは、時間と集合場所などを言って電話を切った。
最後までそいつは俺に御礼を言っていたが、勝手に連絡先を手に入れたことに謝罪が無いことに少しモヤッとした。
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