プロローグ。

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えっ?切るように……? スイーツが好きでもスイーツ作りは、 ど素人のため切ると言われてもよく分からなかった。 まぁ、いいや。適当に……。 私は、グイグイと力を入れて混ぜてみる。 「あ、違う、違う。 お前……ちゃんと聞いていたか? まったく。左手は、しっかりボウルを持っておけよ」 社長は、そう言うと私の後ろに立った。 そして私の右手を持つと薄力粉を全体に 入れながら動かしだした。 社長と密着した状態になってしまった。 えっ……えぇっ!? 「ほら、こうやって上下に動かすんだ。 なぁ?簡単だろ?」 あ、あの……すみませんが。 耳元で言うのは、やめて下さい。 社長の低くて甘い声は、まるで 違うものを想像させられるような セクシーボイスだった。
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