ケーキは、恋より甘く。

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社長は、表面の焼き目の部分を 切り落とすと次に半分にスライスした。 「比崎。俺がクリームを塗っている間に この焼き目の部分を手で細かく千切り ザルでこしてくれ。 ケーキクラムを作るんだ!」 細かく私に指示を出してきた。 「は、はい。」 私は、慌てて返事をして言われた通りに ケーキクラムを作った。 千切ってザルに、こすことなら私にも出来る。 やりながらチラッと見ると社長は、 半分にスライスしたスポンジに生クリームを 塗っていた。 その姿は、いつも見る社長と違って キラキラしていた。 何より様になっていて素敵だった。 「比崎。ザルでこしたら 苺を固く絞ったタオルで軽く拭いて ヘタを取り半分に切っておけ」 「あ、はい。」 見惚れている場合ではなかった。 私は、慌てて苺を準備した。
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