ゲームの続き

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 意気揚々と立ち上がったのは、伊東 一真(いとう かずま)。  そして、苦笑いを浮かべた渡辺 光(わたなべ ひかる)。  どちらが4番で1番かは、すぐ解った。 「覚悟しろよ」  一真は、油性ペンを手に笑っている。  その姿に光は観念した。  盛大に、ヒゲでも描かれるのだろう。  近づいてくる一真のにやけ顔。  光の滑らかな頬に、その手が触れた。  光は、そっと眼を閉じた。小さな溜息をひとつ。  ふいに、唇に柔らかな感触を覚えた。 「んッ!?」  時間は、ほんの1秒弱。  だが光にとっては、それは果てしなく長く思われた。  
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