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「なぁ、顔見せてくれよ」
命令ではなく、お願い。
その声音も穏やかで、光は一真を見た。
意地の悪いにやけ顔ではなく、その眼は優しい。
唇が近づいてくる。
光は重ねてきた一真の唇を、今度は拒むことなく受け入れた。
(優しいふりしても、騙されないからね)
ここまで辱めを受ければ、どうにでもなれだ。
そう。たかがゲーム。
だったら、そのゲームに乗ろうじゃないか。
気まぐれの、一夜限りの恋。
せめて、その体に、心に刻み込もう。
光は舌を絡ませ、濡れた音を立てて口づけに応えた。
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