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昼休みの私たち
薄く広く八方美人である為に、私は決まった子とあまり深く付き合わないように心がけている。でも昼休みだけは例外だ。この時間だけは隣のB組にいるユイと一緒に過ごす。
昼休みのチャイムが鳴ると同時に私はすぐに席を立った。『お昼一緒に食べよ』という言葉をかけられないようにする為だ。私は学校に来る途中のコンビニで買っておいたお昼ご飯を持って、まっすぐユイを迎えに行った。
授業を終えた先生が出てくるのを待って、出入り口に立って彼女を呼んだ。
「ユイー」
周りの子たちに教えられて、ユイはやっとこちらに気がづいた。私が手招きすると、彼女は他の生徒にぶつかりそうになりながら、フラフラと歩いてきた。初めて補助輪を外した自転車の運転のような動きだった。
近くまで来て、私は彼女が手ぶらな事に気がついた。
「お昼は?」
「あっ…買ってない……」
「そんなことだろうと思った」
私は用意しておいたユイの分の調理パンと牛乳の入ったビニール袋を渡してあげた。
「ありがと…」
「こういうの、あんまり忘れちゃ駄目だよ。じゃあ行こっか」
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